真夏の蔵王を代表するお釜とコマクサ。梅雨も明け天候の安定する7月は暁登山日和です。蔵王温泉からは徒歩約3時間、お地蔵様から熊野岳頂上に向かう頃には薄っすらと明るくなり始めます。
登山道の横には高山植物、見飽きることなく多くの花が咲き誇っています。木歩道の側にはムシトリスミレ・ウラジロヨウラク、熊野岳に向かう歩道沿いにはイソツツジ・アオノツガザクラ・オノエラン、頂上に辿り着く頃にはコマクサの花が歓迎してくれます。お釜の見える馬の背からは素晴らしい風景が待っています。赤く染まる残雪や雲海からはいっそう清涼感が漂います。
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![]() イワカガミ(ピンク色) |
![]() クジャクチョウ |
ケシ科に属するコマクサは戦時中の物資難の時には薬効・熱さましに用いられ、絶滅寸前までに盗掘されてしまいました。その後、愛護者の方々によって種が蒔かれ、その努力によって今では足の踏み場のないほどに咲き誇っています。
花は黄色味を帯びた提灯の様な形をしています。大きめの塊になって群生しています。特に熊野岳稜線の東側登山コースに群れをなして咲き誇っています。東側登山コース・名号峰コース・ロバの耳コース方面の群生も圧巻です。
白い花オノエランは熊野岳稜線の東側登山コースに咲きます。群れで咲く事は少なく広い範囲に咲きます。名号峰コース・ロバの耳コースには多く咲いています。時より、クジャクチョウやヒョウモンチョウが蜜を求めて飛来します。