生ピーナッツ入り筑前煮 | |
鶏もも肉 | 300g |
干ししいたけ | 10枚 |
人参 | 1本 |
ゴボウ | 1本 |
こんにゃく | 1枚 |
レンコン | 2節 |
里芋 | 10個 |
生落花生 | 100g |
煮汁 | |
みりん | 大さじ4 |
醤油 | 大さじ4 |
酒 | 大さじ2 |
三温糖 | 小さじ2 |
干ししいたけの戻し汁 | 約140ml |
朝晩に秋を感じる季節になりました。夏場の台所では避けられてきた煮物も復活です。今月は、生ピーナッツを使った筑前煮です。私の故郷・福岡(筑前)では筑前煮とは呼ばず、がめ煮と呼びます。寄せ集めの煮物という意味です。さて、この筑前煮は根菜類を中心とした煮物ですが、これにピーナッツを加えることでますます食物繊維豊富な料理となります。1日の食物繊維の摂取量は20g未満から80gを超えるまで国によって大きく異なります。残念ながら日本は世界的に見ても食物繊維の摂取量は最低レベルです(Adv Exp Med Biol.1997;427:35-42)。これは近年の直腸がんなどの増加に繋がっています。また、減量に関しても、ベジタリアンダイエットでは1日の食物繊維摂取量は35g以上とされ、肉をピーナッツバターと豆に置き換えることが常識になっています。
さて、今月の生ピーナッツ入り筑前煮の材料に含まれる食物繊維の量を図にしました。生ピーナッツ入り筑前煮の根菜類には水溶性食物繊維がたくさん含まれ、その総量を、不溶性食物繊維を大量に含む生ピーナッツが補完していることがよく分かります。水溶性食物繊維は主に余分な成分の吸収を抑え、不溶性食物繊維は便量を増やし、便通改善に役立ちます。さらに、これら食物繊維は腸内で細菌によって短鎖脂肪酸となります(Br J Nutr.2008;100(3):485-488)。短鎖脂肪酸とは主に酢酸、酪酸、プロピオン酸のことですが、これらは大腸から吸収されて、がんや肥満などの予防や治療に関係することが分かっています。このように食物繊維の働きは多岐に亘っています。筑前煮に限らず、煮物に生ピーナッツを利用したいものです。なお、生ピーナッツは通販などでも購入できます。