餡子 | |
生落花生(冷凍保存) | むき実で130g |
三温糖 | 大さじ4.5 |
塩 | 少々 |
水 | 適量 |
白玉 | |
白玉粉 | 100g |
ぬるま湯 | 90cc |
本格的な秋を迎えました。既に北海道の山々からは初冠雪の便りが届いています。今月のお料理名にある「豆名月」は陰暦9月13日の月(十三夜月)のことです。中秋の名月の約1ヶ月後にやってきます(今年は10月11日)。この夜は枝豆や栗を供物とするため、豆名月や栗名月とも言われます。
今月の落花生ぬた団子はピーナッツの薄皮も一緒に圧力鍋で軟らかく煮て、すり鉢とフードプロセッサーでペーストにします。この薄皮は抗酸化物質として名高いポリフェノール(フェノール化合物)をたくさん含んでいます。この薄皮の研究が行われています(J Food Sci.2012;77(11)S407-11)。試験はピーナッツの薄皮を0~20%含むピーナッツペーストとピーナッツバターの抗酸化特性と風味を評価しています。抗酸化特性にはいろいろな指標がありますが、ここでは酸素ラジカル吸収能(ORAC)を用いています。その結果、図に示すように、ピーナッツ薄皮を5%含むことで、抗酸化能力はピーナッツペーストで52%、ピーナッツバターで63%増加しました。ピーナッツ薄皮を20%含む場合には、ピーナッツペーストで396%、ピーナッツバターで257%も増加します。
さらに、この研究では薄皮がある場合の風味試験も行っています。薄皮があるとピーナッツが元々持っている甘みやロースト感だけでなく、苦みや渋みが加わり、味に広がりが出るという結果が出ています。料理ではこの風味の広がりは重要です。ただ、この試験では薄皮を増やし過ぎて10%を越えると全体として美味しさが減少するとも報告されています。ちなみに普通の薄皮付ピーナッツの薄皮含有率は平均4%程度です。今年の夜長は薄皮入落花生ぬた団子でお過ごし下さい。