7月を迎え、暑さも本格化してきます。この季節になると夏バテと言う言葉を良く聞くようになります。夏バテの本来の意味は…などと言わずとも、現在では、夏における体調不良、食欲不振などを綜合して夏バテと表現されているのではないでしょうか。
図にあるように、寒い場合には、食欲が増加するホルモンであるグレリンが増え、食欲を減少させるホルモンのレプチンが減ります。その結果、全体として食欲が増すのです。冬場に太りやすくなるのは主に、この食欲と運動量の減少が原因です。一方で、暑い場合には食欲を減少させるホルモンであるペプチドチロシンチロシン(PYY)が増加します。その結果、食欲が減退するのです。この食欲減退に加えて、発汗等による体内水分の減少や運動量の増加により、全体としてエネルギー不足、代謝バランス不良に陥り、夏バテになります。
夏バテ対策には上記のようにしっかりとした栄養を摂ることが重要です。落花生は、少量でバランスの良い栄養を私たちに与えてくれます。このエッセイでもたびたび書かせて頂きましたように、落花生の約半分は脂質で出来ており、少量で十分なエネルギーを得ることが出来ます。この他にも、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどの主要なミネラルだけでなく、鉄、亜鉛、セレン、クロム、モリブデンなどの微量元素などもバランスよく含まれます。従って、発汗によって失われたミネラルの補充にも最適です。
夏バテにはこの栄養的に優れた落花生と失われた水分を補給するための飲み物を組み合わせるとより効果的です。弱くなった胃腸を守るため、また、疲れた身体と脳のために、暖かい蜂蜜茶や黒糖を加えたホットミルクなどは如何でしょうか。この夏は落花生のお供は、ビールではなく、暖かい飲み物にしては如何でしょうか。